2012年3月3日土曜日

福島第一原発事故と原爆

半年以上前に出ている話ですが、福島第一原発から放出された放射性物質はセシウム137だけで、ヒロシマ型原爆の168.5個分です。

友達から、今回のこと大変ってことは分かるけど原爆落とされた広島とか長崎も今は普通だしどう違うのかわからないというような話をよく聞くので、ご存知ない方も多いのかなと思って改めて記事に書きたいと思います。

衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に、政府として細野豪志原発担当相が提出した数字なので誰かが勝手に作った話ではなく、事実のようです。


かの有名な東大の児玉教授の試算では、日本の地上に29.6個分に相当する量が放出されたそうで、全体の約20%程が陸地に、残りは海に放出されてしまったそうです。

福島第一原発から放出されたセシウム137は15000テラベクレル(テラは1兆)。
広島型原爆は89テラベクレルだったということなので、福島原発は広島原爆168.5個分となるようです。

ヨウ素131では福島が16万テラベクレルで原爆が63000テラベクレル。
ストロンチウム90は福島が140テラベクレル、原爆が58テラベクレル。

半減期は、ヨウ素131は約8日、セシウム137は約30年、ストロンチウム90は約29年。

政府は、この数字が独り歩きすることを懸念して、資料の中で「原子爆弾は高濃縮ウランを一瞬のうちに核分裂連鎖反応させて、爆風、熱線、中性子線を放出して、大量の殺傷、破壊に至らしめるもの」と定義。

福一については「原子炉の運転により核燃料が制御された形で核分裂し、その過程で生成した放射性物質の一部が事故の結果、環境中に放出され周辺に拡散した。放出された放射性物質が核分裂を起こしているのではない」として、「放射性物質の放出量で単純に比較することは合理的ではない」と前置きをした上で数字を明らかにしたそうです。

児玉教授は、これまでの研究結果によると原発と原爆では一定期間後の放射能の残存量に大きな違いがあり、1年後に原爆は1000分の1に減少するが、原発は10分の1にしかならないと述べているそうです。


こういった話から、原爆ほど一瞬での破壊力はなかったにしろ、放出量が甚大なことと、なかなか減少せずに長く日本の陸や太平洋を汚染し続けていくことを懸念せずにはいられません。
どちらも、ウランを核分裂させて大量の人工放射性物質を生み出していることに代わりはなく、それらは明らかに生物のDNAに影響するからです。


ただ、児玉教授を始めとした多くの方が除染をすべきだと発言し、除染産業が活発化していることに不安を感じています。

チェルノブイリで除染を幾度となく試みて失敗に終わったロシアも、核兵器を作り原爆投下後に核の影響を調査し続けていたアメリカも、除染は不可能だと結論付けているのに、日本だけが行っている。

除染ビジネスは、今や青天井。
どこまで資本主義を貫くつもりなのでしょうか。


広島出身の方々のインターネットへの書き込みでは、今も原爆による被爆者は、妊娠しにくかったり、妊娠しても出産に漕ぎ着けなかったりと、結婚差別がただの風評被害でなく実害としてあるんだと書かれていました。
被爆二世や三世であることを大切なパートナーに恐る恐る打ち明けるそうです。。

こんなにも辛い思いをしている方々がたくさんいるのに、311から一年が経とうとしている今も、東日本の人達をじわじわと被曝させ続けている日本政府は、第二次世界大戦中に竹槍指導をしていた頃から一つも進歩していないと感じてしまいます。

国民は政府の道具ではありません。






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